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『だから、あなたも生きぬいて』(講談社)より、大平光代さんの授業。いじめは人生をかえてしまうほど卑劣な行為であること、過去を乗り越えた大平さんの努力や生き方を伝える。
修正点 1.最後は教師の語りではなく、250ページの大平さんの読者へのメッセージを読み 聞かせた。
1.授業の流れ
説明1 みっちゃんです。一人娘で両親からもおばあちゃんからも大切に大切に愛情をいっぱいに受けて育てられました。
扉のページの写真を見せる。(お父さん、お母さん、おばあちゃんと一緒に写っている写真)
発問1 こんなみっちゃんが中学2年のときある事件を起こします。それは何だったのでしょうか。予想をしてノートに書きなさい。
万引きという予想が多かった。
説明2 「いたずら電話、私じゃない」「女子中生、抗議の割腹自殺」(新聞の見出しを読む)いたずら電話をかけたのはおまえだろうと疑われました。親しい友だちにも先生にも信じてもらえず、命をかけて自分の無実をはらしたいと思ったのです。みっちゃんは、河原で自分のおなかを刺して自殺を図りました。
1980年1月9日の新聞記事を見せる。
発問2 みっちゃんが自殺をしようと思ったのはいたずら電話の犯人扱いをされただけではありません。ほかにどんな理由があったのでしょう。予想をしてノートに書きなさい。
いじめという予想が多かった。
説明3 いじめです。クラス全員から無視をされたり、トイレに入っているときに上から水をかけられたりしました。
発問3 幸い命は取りとめました。4月。おなかの傷が治ったみっちゃんは3ヶ月ぶりに学校に戻ることになりました。クラスの生徒たちはどのようにみっちゃんを迎えてくれたのでしょうか。
1.今までのことを反省し、温かく迎えてくれた。
2.反省などせず、今までと同じ冷たい態度で迎えた。
3.その他
1と2が半々くらいであった。
説明4 正解は2番です。そして、ますますいじめはひどくなりました。ハラキリとか死に損ないと言われたのです。みっちゃんの居場所は学校にはありませんでした。みっちゃんはそれから、学校には行かずゲームセンターに出入りするようになりました。暴走族と友だちになり、家にも帰らず不良の友だちの家に泊まるようになります。両親に暴力もふるうようになりました。そして、16歳で暴力団の組長と結婚します。17歳の時には、背中に入れ墨をいれます。
扉のページの写真(極道の妻のころ)を見せる。
説明5 未成年のみっちゃんが入れ墨を入れたり、結婚をしたりするには親の許可が必要です。親のはんこが必要になるたびにみっちゃんは家に帰り、お父さんを蹴り倒し、自分ではんこを押しました。その後、暴力団でもうまくいかず、組長と離婚し、お酒を飲んで、荒れた生活を送るようになります。
発問4 このとき、みっちゃんは両親に何をしてほしかったのだと思いますか。
説明6 叱ってほしかったのです。
発問5 みっちゃんは今何をしているのでしょうか。
説明7 弁護士です。弁護士になるには、日本である資格試験の中で最も難しいといわれている「司法試験」に合格しなくてはなりません。有名な大学を優秀な成績で卒業した人でも、受験して合格しない人がたくさんいます。みっちゃんは、見事、1回でその試験を合格しました。
表紙の写真を見せる。
説明8 22歳のとき、幼いころ自分をかわいがってくれたお父さんの友だちの大平浩三郎さんと再会します。大平さんは、「いつまでも立ち直ろうとしないのは自分の責任だ!」とみっちゃんに真剣に怒ってくれたのです。
大平浩三郎さんがみっちゃんに語った言葉を紹介する。
説明9 まじめに生きることを誓ったみっちゃんでしたが、高校にも大学にも行っていません。漢字もろくに読めなかったのです。司法試験に合格し、弁護士として活躍するようになったのは、たいへんな努力があったのです。
説明10 みっちゃんこと大平光代さんは、今、弁護士として、非行少年に関わり、非行から立ち直れるような取り組みをしています大平さんの言葉を紹介します。
250ページを読み聞かせる。
指示1 今日の授業の感想を書きなさい。
2.生徒の感想
《先行実践》井上好文氏:『いじめに負けない子を育てる』TOSS道徳シリーズ12(明治図書)
《参 考》染谷幸二氏:大平光代さんの授業,インターネットランド2210014 http://www.tos-land.net/
佐藤祐三氏:自己責任を考える,インターネットランド2800039 http://www.tos-land.net/